私たちの信念
サムンプライ(タイハーブ)の知識を世に広め、日々の暮らしの中で健康維持のために役立てることができるよう貢献すること。
生産農家から一般消費者まで、参加する者は全て平等に扱われ、皆がその目的・意義・達成感を共有できること。
私たちが目指すところ
山岳民族の生活支援とハーバル製品の普及活動
タイの伝統医療の中でも自然のハーブ(サムンプライ)を使った療法は数多くあります。中でもハーバルボールは庶民の生活に根ざした民間療法として何百年もの間受け継がれて来ました。そして私達タイ民族の知識の中にはそのハーブの知識を健康のために役立てる先祖からの知恵がたくさんあります。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、タイはもともと農業国です。多くの人が農業に携わり、その技術の中にはハーブの栽培の知識も多くあります。ですが、現代社会においてはあらゆる物に利便性が求められ、その農家の方達は活躍の場所が無くなりつつあるのが現状です。タイ北部、中でもチェンライ県はタイ国最北端の山岳部に位置し、またミャンマーやラオスとの国境を有し、昔から文化や民族の交流の要所として栄えていました。しかし農業を生業とする人々の中でもとりわけ山岳民族の人々にとっては荒地の多い土地では充分な収穫もなく、また生活環境も整備されておらず、貧困を余儀なくされていました。子供達も幼い頃より働かざるを得ない状況が続き、十分な教育も受けられず貧困の悪循環が続いています。以前はケシの花(アヘン)の栽培などで収入を得ていた時代もありましたが、時代が移り変わる中で人々の生活が立ち行くようになるには、彼ら自身が安心して且つ継続して働ける労働・生活環境を確保しバックアップしていくことがとても重要です。しかしこういった活動は外部からの働きかけがないと困難な面があり、そのために何か手助けができればというところから私たちのプロジェクトは生まれました。私たちは彼らの生活を向上させるのは彼ら自身の意思と努力が必要と考え、彼らが代々培ってきた農業の知識を活かせる場を提供していくことが大切と考えています。農園で作られたハーブを加工・製品化し流通させることで農家の方にとって雇用を生み出し十分な収入を得てもらい、子供達が働かずに学校で学べるように生活支援をすることが私達の目的です。
忘れ去られていたハーブ療法を現代に
タイの医療は19世紀後半より長い間、西洋医学偏重の流れにありましたが、私達の研究グループは「産後の女性の肥立ちケア」、「ハーブボール」、「ハーブサウナ」などを含むタイ伝統医療を現代に復活させてきました。2002年にはタイ保健省によりタイ伝統医療開発局も設立され、多くの国私立大学で伝統医療学部が設置され、ラムカムヘン大学などの一部の大学ではこれらのハーブ療法をカリキュラムに取り入れています。また、国私立病院でも「産後の女性の肥立ちケア」を取り入れ、出産後の健康をケアする手法として役立っています。タイや日本の各タイマッサージスクールにおいても従来はタイ式マッサージが主なカリキュラムでしたが、今ではこれらハーブ療法に関連した施術を教えるところが増えてきています。
ハーブを正しく使っていただくために
タイ伝統医療の中でハーブを使った治療や施術は多くあります。その中で「産後の女性の肥立ちケア」、「ハーブボール」、「ハーブサウナ」などは正しい知識に基づいて施術しないと逆効果の場合もあります。私達はマッサージスクールを開校し正しい知識を広めるために活動しています。教育の場は教室内だけにとどまらず、チェンライ県の農園で実地研修を行なったり、博物館・病院・ハーブ展示会見学などを行なったりしています。
タイ北部チェンライ県のハーブ農園
サムンプライファームプロジェクトでは現在、チェンライ県にて最大4000ライ(東京ドーム約140個分)の広さの山岳地をロイヤルプロジェクト(タイ国王が中心となる地域活性プロジェクト)の一つ、ドイトゥンプロジェクトの協力を得て無償で譲り受けています。 これらの土地を地域の農家の方たちにそのまま無償で提供しています。